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Die Galerie

街並み
ニュルンベルグの街並み
西暦2000年をベルリンで迎え、「もっと色々とドイツ関係の話しなどもして色々なことが知りたい…」と考えるようになっていた私だったが、身近にその種の話題で盛り上がる仲間も殆どいない、些か寂しい状態だった1月のある日、MSN Web Communitiesというものを知った。「こういうものでヴァーチャルな“場”を設けて仲間を募れば良い!」と思い付き、大胆にもドイツ鉄道の略称を拝借し<DB>というコミュニティを立ち上げた。ドイツ関連の話題を語り合える、なかなか真面目で面白いものに発展して今日に至っている。
そこのメンバーにWitz(ハンドルネーム)さんという方が居て、何時もドイツの様々な事象に関してご教示いただいている。そのWitzさんは、ニュルンベルグの郊外にお住まいだ。という訳で、鉄道博物館で大満足だったために存外街並みを見ていないニュルンベルグを見たかったこともあったが、彼に会うべくニュルンベルグを目指した。ニュルンベルグへ到着する前に連絡し、夕方に会うことにしたが、旅装を解いたホテルで寝過ごしてしまうという間の抜けたことをしでかし、彼にはご心配もかけてしまったが、翌朝無事にお会いし、名物のソーセージをつまみにビールを傾け、愉しい一時を過ごすことが叶った。
ニュルンベルグの中心部は、小高くなった城塞跡から一望することが出来る。旧い外観を大切にしている街並みである。が、ニュルンベルグはバイエルンを発祥の地とするナチスが本拠地を置いていた街で、第二次大戦当時、連合軍爆撃隊の的にされてしまった経過もある。旧い建物を良く見ると、黒っぽい石と白っぽい石とが混在している。写真右側の教会の塔もそういう様子である。これは、戦禍で焼けてしまったものを掻き集め、砕けて使用不能な部分は新たに造って、旧い建物を再建した故である…
戦禍による破壊からの復興というのは、日本にもドイツにも共通した経過であろうが、そのアプローチは大きく異なるように感じる。日本では「新たに築き上げる」ことに重点が置かれ、“新たな歩み”が志向された感だが、ドイツでは主要な建物や街並みの「文字どおりの再建」に努力が払われ、“郷土への矜持を取り戻す”ことが志向された感である。旧い外観を留めながら、現代的に使い易い内装が工夫されているドイツ各地の駅などを見ながら、こういう街並みに触れると、漠然としていた見方が少しハッキリした輪郭を帯びる…


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