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Die Galerie

列車
パリ北駅
「欧州の列車が好き!」と自認する者なら、誰しもがこの光景には何らかの反応をしてしまうと私は思う。各地へ旅立つ、フランスの誇るTGV(テージェーヴェー)がその勇姿を連ね、傍らにはそれを国際運行対応に改造した深紅のThalys(タリス)…パリの北駅構内の眺めである。
深紅のThalysは、パリとベルギーのブリュッセル、少し北のオランダのアムステルダム、少し西のドイツのケルンなどを結んでいる。フランス、ベルギー、オランダ、ドイツを走っている。これらの国々の鉄路は同じ幅で、列車が相互に乗り入れることに何ら問題はない。問題があるのは電源である。この4国では、電化区間で使用している電気の種類が少し違う。線路上の電線から電気を受けて走る電気機関車は、国境辺りで交代するのが普通である。しかしこのThalysは、4国何れの電源にも対応出来るように改造されている。だから途中で機関車の交代などを全くせず、そのまま「次の停車駅は…」と平然と国境を越えられる。
日本の高速列車は“鉄道技術用語”で言う“電車”である場合が殆どだ。列車編成の半ばに、モーターを搭載した車両が繋がっていて、編成の前後の運転台で制御する。しかしTGVは-ドイツのICEも同じだが…-少し違う。運転台のある先頭と最後尾の車両は電気機関車で、乗客が乗る場所は動力が全く無い客車なのである。Thalysは、この機関車部分を改造したのだ。客席の内装だが、TGVと大差ない…
ここでこの光景を見た私は、パリをアッサリと半日で引き上げ、Thalysに飛び乗ってしまった…(“漂泊の航跡”参照…)


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