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Die Galerie

石・硝子・鋼鉄
ベルリンの大聖堂
ドイツの中では特例的に大きな都市ということになるベルリンに、古色蒼然たる、御伽噺か何かのような旧いドイツの街の面影を求めて訪ねても、恐らく徒労に帰するであろう…ドイツの諸都市の永い歴史を紐解きながら考えると、ベルリンが栄えるのは今日のドイツの母胎となったプロイセン王国が躍進する時代で、“相対的”に他の諸都市と比べると“新しい”ことに思い至らざるを得ない。
その反面、エネルギーを拡散しながら変貌を日々続ける“メトロポリス”の魅力が漂うのがベルリンである。石で築かれたドイツの都市も、近現代では硝子と鋼鉄がそこに取って代わっている。ベルリンでは、寧ろ近現代の建築の方が目に付き、更に踏み込んで次の時代を思わせるものさえ目に付く。それ故に石のものは殊更印象的に映える。
大聖堂は、そうした殊更印象的に映えるものの一つだが、真正面辺りの硝子張りのビルにその姿を映している。空中を浮遊する硝子張りの鋼鉄の箱に、石の大聖堂が閉じ込められているかのように見える…良く晴れた日中にこの辺りを歩くなら、是非ともご覧いただきたい…


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