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商人の港
コペンハーゲンの朝
コペンハーゲンという名前は“商人の港”というような意味だという。デンマークは欧州の国の一つだが、欧州大陸の部分はユトランド半島のみで、他の国土は島々である。北欧と括られる諸国の中で、デンマークは比較的早くから栄えた国だった。北欧と括られる国々が全てデンマーク王の下にあった時代があったし、遥かにイングランドやアイルランドを傘下にしてしまった王さえ居た。
北欧の国と自他ともに意識しているデンマークだが、スウェーデンを経て初めてコペンハーゲンに着いた時、北欧と言うより“北、東、西の交差点”とでも言った方がより相応しい感じがした。“商人の港”という名前が示すように、コペンハーゲンは華やかな広告で彩られている感じがしたし、ドイツ語圏に通じるような建築様式の他、フランスやイタリアの様式を採り入れていると見受けられるものもあった。また駅で見かける列車の行き先も、かなり北のストックホルムを思えば国際色豊かだった。
再び歴史に思いを馳せると、強大だったデンマークもスウェーデンが独立して勢力を伸ばすと、今日のスウェーデン南部にあたるスコーネ地方を巡って壮絶な争いを繰広げたし、力を蓄えたドイツの諸侯とも紛争が絶えなかった。北海とバルト海が交わる海域に開かれた地を領有する国の苦しい歩みが垣間見られる。
スカンジナビア航空がコペンハーゲンを拠点としており、モスクワからスウェーデンを経て辿り着いた以降も、何度かこの地に降り立った。訪れて時間があると、明け方のこの街を散策することにしている。紫色の明け方の空に浮かび上がるこの街の雰囲気が気に入っているからだ。


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