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自由な空

スコットランドの北東部まで、11月に訪ねると空は冷たく澄んだ感じがする。遠い極東で活躍したトーマス・グラバーを生んだフレイザーバラは静かな朝だった。何処の港町でも大きな顔をして飛び回っているカモメだが、飛んでいない時は指定席でもあるかのように整然と止まっている。 旧い小さな教会の上に一羽「ここが自分の場所だ！」と泰然と止まっているのが眼に留まった。彼−彼女かもしれない…−は遠くの北海を眺めながら、冷たく澄んだ空気を満喫しているかのようだった。 ふと、カモメは青い空へ羽ばたき、滑空を始めた…

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